黒山羊エンタティメントグループの業務日誌です。
タイトル「チャーイと賢者の円盤」
「おぉーっと! ディー選手、試合開始と同時にパイルバンカー! そして、左腕の武器も捨てたぁ! 一体、どういうつもりなんでしょうかねタカダさん」
「ちょっと、分からないですねぇ」
本気で分からないとでも言いたげに腕を組み答えるタカダ。それを見てモリワキアナウンサーは、本当にこの人が解説でいいのだろうかと悩むのであった。
◇◇◇
左腕の武装を捨てたウォーロックの武装は、NIOHただ一つ。だが、その残された射突型ブレードにはある変化が起こっていた。そう、先端から常に火花が散っているのである。何も考え無しに左腕を捨てた、というわけではなさそうだ。
こうなった射突型ブレードは名状しがたい威力を誇る武器となる。チャーイはそれを知らないが、野生の勘とでも言うべきもので、ヤバい、と感じていた。自然と距離を開けようとする。
「おいおいどうしたチャーイよぉ。前までの威勢はどこにいったんだ? ん? それとも何か、この俺様が怖ろしくてションベンちびっちまったのか?」
「まろを馬鹿にするんじゃねぇ」
チャーイは呼吸を整えた。気を集中させる。胸の刻印が光り輝いた。
「うなれ! マーキュリードライヴフォング!」
プラズマキャノンを放つ。通常以上の弾速を誇るプラズマ弾を、ウォーロックは避けようともしない。ただ火花を出し続ける射突型ブレードを前に突き出すだけだ。
MDFがウォーロックの射突型ブレードに直撃する。これでウォーロックは終わりだ。射突型ブレ
ードで威力を相殺しようとしても、MDFの破壊力は射突型ブレードの威力をはるかに上回っている。もう、ディーは立ち上がることすら出来まい。
だが。
バシィィィィ!
MDFがウォーロックの射突型ブレードに相殺された。いや、弾かれた。ウォーロックには、傷一つ無い。
「ふはははははは! どうしたチャーイ! お前の腕はその程度だったのか! ん!?」
ディーからのあからさまな挑発。MDFをああも簡単に止められては、チャーイには成す術も無い。ディーの出方を窺うため、チャーイは機体をウォーロックの周囲を旋回させる。
「そっちからこないなら、こっちからいくぜ!」
ウォーロックがホバーブースター使用して浮き上がったかと思うと、次の瞬間には急速に下降。地面に激突するかと思われたが、ウォーロックはそのまま床にもぐりこんだ。床面には傷一つ残っていない。
◇◇◇
「ど、どういうことだぁぁ! ディー選手の機体が消えてしまった! ど、どういうことなんですかタカダさん!?」
「俺も本気出したらあれぐらいできるよ」
いや、そういうのはいいから解説してくれよ、と思うモリワキの後ろで誰かが立ち上がった。後ろを振り向く。和服を着た初老の男性が、目を見開き全身を震わせていた。
「あ、あれは土遁!」
「ど、土遁!? ということは、あれは忍術なのですか?」
「違う。語源はそこだが、忍術ではない。あれはあまりにも凶悪な技術ゆえ、AC四十八の禁じ手の一つに数えられておる」
◇◇◇
チャーイはレーダー画面を見た。ウォーロックは地上から姿を消したが、レーダーからは消えていない。こうなったら、レーダーだけが頼りだ。とはいえ、ノーフィアーのレーダーは頭部内蔵のもののみ。当然、スキャン間隔があるためレーダーを見ても正確なウォーロックの位置は分からない。
だが、チャーイは風雲拳の使い手である。レーダーなど無くとも、心眼を使えば良い。目を閉じる、地中を進むウォーロックの姿が見える。位置はどこだ? ノーフィアーの真下だ。
慌ててブースターを噴かして後退。直後、地面からウォーロックが右のアッパーカットを繰り出しながら飛び出してくる。射突型ブレードが、僅かにかすった瞬間。
ドカァァァン!
爆発、モニターがノイズの嵐で埋まり衝撃で全身が揺さぶられる。ノーフィアーが倒れそうになるが、気合をいれて踏みとどまる。
ノイズの嵐が収まった時、ウォーロックは再び地中に
登場AC一覧
ノーフィアー(チャーイ)&Li804Ha002wE00o00aka052wc0F0noa2wc0o9H3#
ウォーロック(ディー)&Lw0ybH1y82Mk0l868ws6170ag0FM4009Es0u41r#
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