黒山羊エンタティメントグループの業務日誌です。
最近、サイエンスフィクションとファンタジーの境界線がいまいちよく分かりません。海外においてはそうでも無いのかもしれませんが、少なくとも日本においてこの両者の境界線ってのは非常に曖昧だと思う。
サイエンスフィクションかと思いきやファンタジー的な要素、ファンタジーかと思いきやサイエンスフィクション的な要素を含んでいる作品が近年多量に出現しているせいで、ほんと訳が分からんことになっています。
その多くはライトノベルなんですが。ラノベからわけのわからん造語が飛びかっとるので、私には分かりませんが。ただ、ファンタジーの定義を誤解している人は多くなってきているのかなぁ、という気がします。
ファンタジーの定義が何かと言われれば、長くなると思うので今は割愛。そのうち小説講座か雑記にでも書こうかと思います。
ただねぇ、某小説作法サイトでファンタジーの源流がトールキンだと言われているのはいまいち納得がいかん。確かに近代ファンタジーを発展させたのはトールキンだけど、そのトールキンの源流がどこか分かっているのだろうかと。
そもそもファンタジーの源流ってのは、各地に残る民話・神話の類で他はダンテやスウィフトなどが先達扱いですな。そうでなくとも、ダンセイニが根底にあったり、ヒロイックではハワードの影響がかなりあるのになぁ……と。
この辺りも断定できるというか、もっと語れるようになりたいんだが、法学の人間がそんなことやってていいのかという気もする。この辺りの話はどう考えても文学やってる人間の話で、法学のやつがやるもんじゃないし。趣味の範疇超えてるし。
これも血の成せる業かなと思うのですよ。うちの祖父から始まって、親父、そして私と何故か全員が法学の道を歩んでしかも小説大好きと来た。祖父と親父は歴史・時代小説が好きなんですが、何故かその息子は海外文学の道をひた走る(笑)
「硫黄島からの手紙」が今週土曜日から公開ですね。出来れば公開初日、もしくはその翌日に行きたいのですが……初日はバイトがあるし、翌日はサークルの活動があるために不可能。月曜日に行こうかしらん?
映画といえば、「武士の一分」も観に行きたいところです。キムタク主演ということで話題らしいですが、原作が藤沢周平の「隠し剣シリーズ」ですからねぇ。このシリーズが好きで、今回映画化された「盲目剣谺返し」は「隠し剣シリーズ」の中で一番好きな作品なんですよ。
どんな話かっていうのは語る気無いですけど。海外文学ばっかり読んでると思われがちですが、こう見えても一応日本人も読んでるんですよ。つっても片手で数えられるけどさ、芥川龍之介、夏目漱石、司馬遼太郎ぐらいなもんですが。しかもそれぞれ一作ずつぐらいしか読んでませんが。
芥川龍之介なんかは結構読んでみたいんだが、それ以上に泉鏡花が読みたい。けれど、そこまで追いつかない。まだ読んでないの多いしね、A・マッケンの「輝く金字塔」を買ったはいいがまだ読めてないしA・ダーレスの「淋しい場所」も読めてない。J・G・フレイザーの「金枝篇」はもう諦めたよ。あれ、無理。
と、話はそれましたが「武士の一分」で不安なのがキムタク主演っていうのがねぇ……キムタクが駄目っていうわけじゃないんだけど、少し不安なのよ。大衆迎合の映画じゃないだろうから、きっと何かしらのことがあって選ばれてるんだろうけど。
不安とはいってるが、演技力の面で問題ないと思うんだ。けれど、けれど、果たして殺陣がなぁ……っていうのが。あの藤沢周平の美しいとしか言いようの無い剣戟シーンを果たしてどれだけ表現できているのか、っていうのが気になる。
とはいえ、原作でも剣戟シーンはほんの少ししか無いんですが。ラストにちょっぴり、ってな具合。けれど、妙に印象が残るんだよなぁ。クライマックスだからというのもあるんだが、やっぱり文章の美しさというものがある。
あの美しさは、おそらく日本人独特のものだと思うんだよ。「武士の一分」を既に観て興味を持った人、また観ようと思っている人はぜひ藤沢周平の「隠し剣シリーズ(全二巻)」を読んで欲しい。文章が実に美しく、時代小説が苦手な人でも必ず読めるはずだ。
今は文春文庫から「隠し剣狐影抄」と「隠し剣秋風抄」が出ている。シリーズではあるが、続き物ではないのでどちらから読んでも構わない。また短編集なので、非常に読みやすい。今回映画化された「盲目剣谺返し」は「隠し剣秋風抄」に収録されているので、「武士の一分」に興味があるのならばそちらから読むのが良いだろう。
普段、ブログで何かを薦めるときは面白いぐらいにしか言わないが、これは“買え”。いいから“買って読め”。それだけの価値はある。断じて借りるな。“買って読め”。
キツイ物言いをしているが、強制する気はもとより無い。ただ、それぐらい面白い本だということを知っていただければ幸いだ。
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