http://kuroyagikankou.blog.shinobi.jp/%E6%97%A5%E8%A8%98/%E3%81%BE%E3%81%A3%E3%81%8C%E3%83%BC%E3%82%8Cまっがーれ
バイト中のこと。
盛り付けに使っている鮑の貝殻が山盛りになっている皿のあたりからほのかにただよう異臭。どうやら腐っているのがあるらしい。
殻だけとはいえ、僅かに身が残っているとそれが腐る。店長の指示で貝殻を洗浄器に放り込みスイッチオン。
水の流れる音がしばらく続き、電子音と共にやんだ。洗浄器の戸を開ければ、中から蒸気と臭気。
店長! 大変です! 堤防の臭いがします!
何かマジで臭いがやばかった。まぁ熱せられたからだよねと納得し、そこから腐ってるやつとそうでないのを選別。
何で判断するかって? もちろん、「ニオイ」さ。
というわけで、数十個ある鮑の殻を一つ一つ嗅いでいく。少しで臭いヤツはゴミ箱にポイ。
それほど臭いやつは無かった。そりゃま臭いますよ、けれどそれほど臭くは無い。いや、臭いけど。
んでま、さっきの強烈なにおいの元はなんだったんだろうかと思いながらも嗅ぎ続ける。
後、数個。手に取った一個を嗅いでみる。
海が見えた。ゴミの流れ着いた防波堤から眺める海が見えた。
何で都会の真ん中で堤防の臭いを嗅がなければいけないんだよ!
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